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建設業の明日を拓く
第5巻 建設プラットフォーム
新しい生態系の生成
2010年12月24日発行
我が国では、歴史上経験のない人口減少と諸外国でも類例のない急激な少子高齢化が進展している。戦後長期にわたって続いた経済の成長は安定へと向かい、この間の成長を支え、国内総生産・全就業者数の約1割を占める基幹産業の一つである、建設業を取り巻く環境も大きく変化している。建設業もまた、変革期を迎えつつある。
本書の著者は、企業を生物に見立てている。新しい生態系が生まれ、生物がその中で適応して行く姿に擬して、これをとらえている。このような視点は、著者独自のユニークなものであり、産業の状況変化を理解するときに、大変わかりやすい。
著者は、現在進行している建設業の変革を「建設維新」と呼び、この「維新」によって建設業に新しい生態系が生まれてくると述べている。
一方、過去20年間に最も顕著な発展を遂げた情報技術の普及は、建設業のみならず、世界の社会・産業・企業の姿を大きく変え、人の考え方や行動を変えてきた。インターネット上に構築されるプラットフォームの影響も多大なものとなってきている。ここで、プラットフォームと呼ぶものは、例えば買い物サイトのように、情報技術を活用して人々が集い商取引をするようなネット上のサイトである。人々に、このような活動をさせる「場」が、プラットフォームである。
建設業にも、ネット上の「場」において、工事の発注者と受注者を引き合わせ、工事の受発注を行なわせるプラットフォームが出現している。著者が本書で採り上げている「建サク」と呼ぶプラットフォームは、近年急速に拡大し、参加会員は1万3千人を超えているという。
著者はこの動きに着目し、このようなプラットフォームが「建設維新」を促進し、建設業の新しい生態系を形成するエンジンになると述べている。そして、プラットフォーム上で実際に行なわれている活動を現地を歩いて訪問調査し、プラットフォーム上でマッチングした人々が、建設業の新しい生態系、すなわち新しい産業社会を形成しつつあるのを実見し、報告している。
著者は、このような動きが、来たるべき社会における建設業の変革を導く推進力の一つとなるべきだと主張し、関係者への啓発を進めている。著者のこのような活動は、建設業の大きな改革である「建設維新」を進展させていくだろう。本書が、建設業界の方々をはじめとする多くの方々に熟読吟味され、新たな建設業の躍進に大きく貢献することを期待している。
(本書「巻頭言」より引用)













